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2018.0729(日)第4回「城郭講演会」「織豊城郭から近世城郭へ」に参加しました。 [藤枝市郷土博物館・文学館]

2018年7月29日(日)14:00 〜 
第4回「城郭講演会」「織豊城郭から近世城郭へ」が行われました。

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会場は、藤枝市郷土博物館・文学館の学習室です。


この日も会場は満員御礼です。
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まずは、学芸員の海野さんがご挨拶。
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この日のテーマは、「織豊城郭から近世城郭へ」
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講師は、日本城郭協会理事の加藤理文さんです。
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加藤先生は、去る7月8日(日)に島田市博物館の企画で行われた、
城郭専門家・加藤理文先生と行く「諏訪原城城攻めツアー」でも
ご一緒しました。

テーマ「織豊城郭から近世城郭へ」
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織豊系城郭とは、近世城郭というカテゴリーの中で、
織田・豊臣政権に組み入れられた武将によって築かれた城を指す用語。
別のものではなく、その特質からそう呼ばれるそう。

天正4年(1576)1月、信長の安土築城が始まる。
安土城主要部復元CG
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木が生えているところは、まだ発掘してないところ。
信長廟があるところは、掘り返せないので発掘ができない。

中世の城は、土工事が中心で、自然地形を活かす。
近世の城は、基礎工事をして、その上に建築物を造る。

安土城天守 復元南立図面
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不等辺八角形。
下が四角でなくても、高い建物が建つ。
それまでの戦国大名の城とは違う。
①石垣:上の建物を建てるため。5mを越す高石垣も。
②城郭専用の瓦:新規模様の特注瓦、金箔瓦。織田一門衆のみ使用許可。
③礎石建物化:城を恒久施設として使おうとしている。
巨大な建築物を見せることにより、領主権力を見せつける。抑止力。

安土城伝二の丸高石垣
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石垣が、白いラインのところまであった。

金箔瓦(許認可制)
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それまでは、外に出ていて風雨にさらされるものに、
金箔を貼る発想がなかった。
漆で接着。木製部分は取れない。

以下、「・」「★」のついているものは、事例紹介されたものです。
「★」のものは、香川元太郎先生の著書「鳥瞰・復元イラスト日本の城」
で紹介されているものです。

・伝羽柴邸の門礎石
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安土城建設に向けての試作品(?)があった。
★【山城】「勝龍寺城」元亀2年(1571)「細川藤孝」の居城
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 ①普請人夫の徴用 信長の許可(命令)
 ②瓦の使用 周辺寺院の転用
  同笵(どうはん:瓦の笵型は木製の場合が多く、同じ笵から製作されたものが同笵瓦)
     坂本城:滋賀県大津市、小丸城:福井県越前市 も。
 ③天守、もしくは天守に近い建物の存在
   「殿主(天守)」
★【近江】「坂本城」元亀2年(1571)
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   「大天守」「小天守」あり。 

豊臣系城郭の全国普及
豊臣政権下では、
急激に高石垣、瓦、礎石建物を持つ城が、全国的に普及。
豊臣政権が全国統一を果たすことにより、近世城郭は全国に波及。
・大阪城Ⅰ期復元CG 天正11年(1581)
・聚楽第 天正14年(1586)
・広島城 天正17年(1589)
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★【飛騨】松倉城 天正7年(1579)?
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・石田時代の佐和山城 天正19年(1589)

地域差:豊臣政権に参画した年代順
①畿内周辺 ②四国 ③九州 ④甲信越・東海 ⑤東北
豊臣大名として認められたい。 大阪城のような城を作りたい。
最新技術を導入した築城は、経費負担が大きい。

小田原参戦が近世城郭の普及を生んだ。
★【駿河】山中城 永禄年間(1558~1570)
 小田原北条氏
  土塁や堀を多用し、防御構造に工夫を凝らした。
 → 簡単に落城。土の城の限界。
・松井田城(群馬県安中市)

東国初!総石垣、瓦葺天守を持つ城出現
★【相模】石垣山城 天正18年(1590)
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土の城だが残されたのが、田中城
★【駿河】田中城 江戸時代
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 平地に築かれた平城。
  周囲に城下町の建設が可能。
  志太平野支配の要としての機能。
  近世城郭としての体裁を整えるために、
  主要小口部分を石垣とし、櫓門を持ち込み対応。

小田原合戦後、徳川家の領国内に石垣の城が出現。
・井伊直政の箕輪城(群馬県高崎市)
  三ノ丸石垣
  廓馬出西虎口門
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全国に普及する近世城郭
 きっかけは、2度の朝鮮出兵
参戦渡海した武将たちによる異国での築城
★順天倭城 慶長2年(1597)
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副島正則 領国(現広島県)内、
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 6カ所の支城の構築
 ・神辺城・鞆城(福山市)・三原城(三原市)
 ・三次城(三次市)・東城城(庄原市)
 ★亀居(小方)城(大竹市)慶長13年(1608)
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   総石垣に天守、中小大名の居城に匹敵する規模

黒田長政 筑前六端城
 ・福岡築城 慶長5年(1600)
 ・若松城・黒崎城(北九州市)
 ★【筑前】鷹取城(直方市)慶長6年(1601)
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   上下二段の曲輪のみ。高石垣(主郭とその周辺を取り巻く帯曲輪)
   虎口は4カ所。軍事的に特化した城。
 ・大隈(益富)城(嘉麻市)
 ★【筑前】小石原松尾城(東峰村)
 ・左右良(麻底良)城(朝倉市)

1614年「一国一城令」

外様大名(豊臣恩顧の大名たち)の城は、複雑な構造。
内部を知り尽くした城主や家臣団しか使えない。
 ・折れを繰り返す複雑な通路と枡形虎口
 ・入隅・出隅を繰り返す塁線状の巨大櫓と多門櫓
 ・至る箇所からの横矢懸り 
が特徴

譜代大名(徳川直臣の大名たち)の城は、逆。
標準化された常備軍が守る城を目指した。
 ・高い石垣、直線を連ねた塁線状の多門櫓
 ・要所に構えたれた枡形虎口
 ・角地をおさえる巨大隅櫓

藤堂高虎
 ★【伊予】甘崎城 慶長6年(1601)
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   干潮時は、歩いて渡れる島
    ただし、胸まで海に浸かるそう。バンザイして進むのだそう。
    前回、香川先生に、因島にある山城・青陰城の話をした時に、
    「『甘崎城』にも、ぜひ行って見てください」と言われて、
    「はい!」と答えたのですが…。行けるのか???

 ・津城

 ★【播磨】姫路城 慶長6年(1601)
 地形を利用した攻めにくい城
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 ★彦根城 慶長8年(1603)
 徳川の城だが、豊臣の家臣たちに作らせた
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 ★清正時代の熊本城 慶長11年(1606)
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 実戦経験から、無駄を省いたまっすぐな塁線が多い城

 ・今治城 慶長9年(1604)
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 まっすぐな城だと、誰でも使える

 ・丹波篠山城 慶長14年(1609)
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  多門で囲む。外櫓の上にちょこんと乗る。

 ★【駿府】駿府城 慶長15年(1610)
大御所時代の駿府城復元イラスト
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 四角形で、ちょっとずらす。
    大工の秘伝書がある。

近世城郭というカテゴリーの中で、
織豊系城郭という分け方があり、
今までの城の概念を大きく変えた、織田信長が造らせた城と、
さらに発展させ、朝鮮出兵により実戦に適した築城方法を得た
豊臣秀吉が造らせた城。
その後の時代では、
外様大名(豊臣恩顧の大名たち)の城は、朝鮮での実戦経験があるので、
過剰防衛とも言えるほどの複雑な構造になり、
内部を知り尽くした者(城主・家臣団)にしか、
戦闘能力を発揮できない状況があった。
一方、譜代大名(徳川直臣の大名たち)の城は、シンプルな作りで、
どの城にどの大名が入ろうと、同等同一の戦闘が可能で、
その城の能力を発揮できることを目指した城造りだった。
ぱらぽんなりに解釈すると、
前者が、デザイナーズブランドで、とてもおしゃれではあるが、
誰もが着こなせるわけではない、すごいけれど難しいファッションで、
後者は、プレタポルテで、ある程度デザインやスタイルは決まっていて、
誰でもそこそこ着こなすことができる、それなりなファッション、
誰でも楽しむことができる。
というところか?

枡形虎口の採用、
巨大隅櫓の構築、
多門櫓の多用、
個別のパーツは共通点が多いのだけれど、
構造が大きく違うので、完成した城は大きく違っていた。
個別の大名が造る城と、天下政権が造る城の違いであると!
資金力の違いも大きかったことでしょうね。

ご本の紹介です。
加藤先生が、監修をなさった「山城ガイド」。
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加藤先生が監修をなさり、
香川先生が作画をした「日本の城」。
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この日は、お二人の先生にサインをしてもらえました。

「藤枝市郷土博物館」での「駿河田中城と香川元太郎 城郭原画展 東日本編
の展示は、この日で終了なのですが、気になるのは、こちら。
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島田市博物館との連動企画
「城郭原画のオリジナル記念品プレゼント」ですが、
展示が終わってしまっても大丈夫です!
両館のスタンプが揃えば、プレゼントがもらえます。

もし、島田市博物館のスタンプのみで、
藤枝市のは展示が終わっちゃったじゃん!
と心配なあなた!大丈夫です。
「藤枝市郷土博物館」では、常設展があり、
そこで、田中城、花倉城などの展示をしています。
ですので、8月の展示を見ていただければ、
希望する方にはスタンプの押印もしているそうです。
ですので、あきらめずに、プレゼントをゲットしてくださいね。
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